Google I/O 2025 にて、よりスムーズで安全かつ成功率の高いご購入手続きのエクスペリエンスを実現するための Google Pay API の各種アップデートを発表しました。コンバージョン率の向上、新たな決済シナリオへの対応、セキュリティの強化、統合プロセスの簡素化など、さまざまなニーズに対応する新機能をご用意しています。ここでは、デベロッパーの皆様に知っていただきたい主な発表内容をご紹介します。
ご購入手続きのエクスペリエンスとコンバージョン率の向上
Android WebView における Google Pay 対応
ビッグニュースです!Chrome v137 以降、ユーザーは Android WebView 内でも Google Pay をシームレスにご利用いただけるようになり、Android ネイティブのエクスペリエンスおよび Google ウォレットの端末トークンにアクセス可能になります。アプリのマニフェストで PaymentRequest を有効にするだけで、高品質かつ安全な決済手段によるアプリ内ブラウザでのご購入手続きに対応できます。詳しくは統合ガイドをご参照ください。
進化を続ける決済エコシステムに対応するため、Google Pay API の改善を導入しました。以下は、特に注目すべきアップデートの一部です。
Google Pay の支払いシートでは、より豊かなカード アートとカード名が表示されるようになり、ユーザーが希望するカードをより迅速に選択できるようになりました。また、支払いシートはダーク モードにも対応しており、アプリケーションとの一体感が向上しています。
図 2:ダーク モード版とライト モード版の Google Pay 支払いシートを示すスクリーンショット。
昨年の成功を踏まえ、ウェブ向け createButton API にさらなるカスタマイズオプションが追加され、UI により適した形でご利用いただけるようになりました(ボーダーの表示/非表示、ボタンテキストの選択肢追加など)。これにより、カード情報を事前に表示して販売促進を支援し続けます。
決済ボタンを使用せずにカード識別情報を表示する必要がありますか?このユースケースに対応するため、新しい API の提供を今後数か月以内に開始する予定です。
図 3:Payment Metadata API を使用し、リスト セレクタ経由で Google Pay を提供する例
Google Pay Online API において、販売者起点のトランザクション(MIT)(サブスクリプション、自動の再読み込み、後払いなど)への対応を追加します。これには、ユーザーに情報を提供するための支払いシート上の詳細表示、端末を変更しても継続利用できる決済のための端末非依存トークン、およびカード情報の変更に関するライフサイクル通知が含まれます。
デベロッパー エクスペリエンスの効率化
Google Pay API の統合、テスト、保守をより簡単にすることに注力しています。以下は、統合体験を向上させる主なアップデートです。
新しい Codelab、Firebase Studio テンプレート(ワンクリックで開発環境を構築可能)、およびウェブ デベロッパー向けの学習パスを公開しました。今後、Android ネイティブ、Flutter、React JS、React Native、Angular 向けにも同様のリソースを追加する予定です。
新たに公開された Google Pay API ステータス ダッシュボード を活用することで、Google Pay API の稼働状況を常に把握できます。このダッシュボードでは、CreateButton、IsReadyToPay、LoadPaymentData などの主要 API をリアルタイムで監視しています。API の稼働状況(昨年の稼働率は 99.99%)を確認できるほか、インシデントの最新情報も即時に取得可能です。
図 5:Google Pay API ステータス ダッシュボードには、サービスの稼働状況およびヘルス情報が表示。