昨年、Google ウォレットの提供地域を 90 以上の国と地域へと拡大しました。最近ではさらに 50 以上の国と地域に展開を広げ、ユーザーがアプリおよびウェブ上でデジタル パスを閲覧・利用できるようになりました。また、Google ウォレットをより堅牢で柔軟性のあるものに進化させ、最終的にはデベロッパー コミュニティの皆様にとって、より多機能なプラットフォームとなるよう取り組んできました。
今年の I/O セッションで発表した、注目の新機能をご紹介します。
Google ウォレットのデジタル ID は本日より利用可能であり、信頼性、使いやすさ、相互運用性を最優先に設計されています。今後さらに多くのデジタル ID を Google ウォレットに追加し、世界中のユーザーをサポートしていくことを目指しています。現在では、Google ウォレットで年齢や本人確認をより簡単に証明できるようになりました。
保護者の皆様に、適切な管理のもとでお子様が Google ウォレットを利用できる手段をご提供します。
対象国にお住まいの保護者の方は、お子様が店舗でタップ決済を利用できるようにするほか、イベント チケットや図書カード、ギフトカードなどの対応パスを Android 端末上で一元管理できるようになりました。安全性を最優先に、保護者は Family Link を通じて管理機能を利用できます。すべての取引についてメールで通知を受け取り、最近の購入履歴の確認や支払いカードの削除、パスの利用停止も Family Link 上で簡単に行えます。
さらに嬉しいことに、この拡張機能をサポートするために Google ウォレット API に変更は一切ありません。
昨年、Google ウォレット API のモバイル プッシュ通知の対応範囲を拡大し、ユーザーへのタイムリーな情報提供を可能にしました。今年はさらに一歩進めて、フィールド更新通知を導入します。
一般的な更新時だけでなく、パス内の特定のフィールドが変更された際にプッシュ通知をトリガーできると想像してください。たとえば、ユーザーのポイント残高がスレッショルドを超えた場合や、会員ステータスがアップグレードされた際に、プッシュ通知が送信され、パス上のデータが更新されたことをユーザーにお知らせします。この細分化された通知により、より魅力的でユーザー中心の体験を提供でき、パスのエンゲージメントと利便性を大幅に向上させます。
通知に関連して、Google ウォレット API にて近隣パス通知をサポートできるようになります。この機能はユーザーが有効にしている場合に、指定された地点に近づいた際に、ロイヤルティ カードや特典、搭乗券、イベント チケットなど関連性の高いパスに関する情報を、タイムリーかつ適切に通知するよう設計されています。
Google ウォレット アプリは、ユーザーが特定の場所の近くにいる際にコンテキストに応じた通知を送信します。この通知は直接的な入口となり、ユーザーはワンタップで関連するパスにシームレスにアクセスできます。この直接アクセスにより、保存されたパスとのやり取りがより快適で直感的になり、ユーザーがウォレットの機能をより効果的に活用することを促進します。
ユーザーの管理性と柔軟性を確保するために、通知体験を制御できる新たなトグルを 2 つ導入しました。1 つ目はパス詳細画面に設置されており、ユーザーは特定のパスに関連する通知をオンまたはオフできます。これはフィールド更新通知や近隣パス通知など、そのパスに関連するすべての通知に適用されます。2 つ目は「近隣パス通知」チャネルによるもので、ユーザーは近隣パス通知の受信有無を設定可能です。これにより、ユーザーは自身のニーズや好みに応じて通知設定を自由にカスタマイズできます。
ユーザーとのエンゲージメントは通知だけにとどまりません。この課題に対応するために、付加価値機会を導入しました。これにより、パス内にパーソナライズされたモジュールを直接組み込み、関連する特典やプロモーション、追加サービスを効果的に表示できるようになります。
これは、パスをよりダイナミックなエンゲージメントの起点へと進化させる重要な一歩です。限定オファーやアップグレードのオプションなどの付加価値を強調することで、ユーザーをアプリやウェブサイトへ誘導し、継続的なユーザーとの交流を促進する動的なゲートウェイを構築できます。
ユーザーは、ロイヤルティ カードを手動で Google ウォレットに追加することで、すでに数百万件のパスを保存しています。これらのパスは加盟店アカウントと連携されておらず、デベロッパーはこれらのパスを更新したり、ユーザーとエンゲージメントを図ったりすることができませんでした。そこで今回、ユーザーに加盟店アカウントへのサインインを促し、連携されたパスを保存できるようにするパス アップグレード体験を導入しました。必要なのは、Wallet API のユーザー ロイヤルティ プログラム登録機能と連携し、ユーザーがサイン インに成功した際に連携パスを保存できるようにするだけです。今後は、「その他すべて」機能で追加されたパスも加盟店アカウントとリンクできるよう、この機能を拡充していく予定です。
昨年の I/O で発表した Auto Linked Passes により、既存のパスを持つユーザーに対して関連するパスを自動で Google ウォレットに追加できるようになりました。そして今回、この機能が航空業界向けに拡張されることをお知らせします。航空会社のデベロッパーが Google Wallet API を使ってマイレージ プログラム用のロイヤルティ カードと連携することで、ユーザーがフライトのチェックインを完了すると、自動的に搭乗券をウォレットにプッシュ配信できるようになります。
Google ウォレットのユーザーはすでに、トークン化された決済手段を用いたオープンループ EMV 交通システムでのスムーズな運賃支払いを実現しています。当社のソリューションはさらに進化し、利用者に対して詳細な乗車情報や運賃構成の内容を提供することで、移動体験をさらに向上させます。トークン化されたオープンループ決済カードは、ユーザーの決済と交通システム間の橋渡し役として機能し、この連携を実現しています。
この基盤を踏まえ、Google Transit Insights の機能拡張により、シーズン パスなど特定のパス タイプの販売を、ユーザーのトークン化されたオープンループ決済カードと直接連携してサポートできるようになります。この新機能により、デベロッパーは Google ウォレット API を活用して、別の種類の交通系カードを用意することなく、シームレスなパス購入と管理を実現できるようになります。
Google ウォレットのユーザーは、リアルタイムの交通パス更新情報(例:列車の定刻運行や遅延状況)をパス上で直接確認できるようになりました。この強化された体験は、Google ウォレット API の新しいライブ ステータス対応と Google マップとのシームレスな連携によって実現されています。鉄道事業者は、チケットに必要なフィールドを含め、リアルタイムの GTFS フィードを提供することでこの機能を有効化でき、世界中の主要な事業者が利用可能となります。
一部のユース ケースでは、配布するパスにユーザーのプロフィール写真を含めることが重要となります。これを実現するために、パスにセキュアなプライベート画像の対応を可能にしました。
この機能により、パスの保有者のみがアクセスできる画像を含むパスを定義できるようになります。例えば、ユーザーのプロフィール画像を掲載したデジタル名刺や会員証、イベント チケットの作成が可能になります。
なお、この機能は公式の本人確認にはご利用いただけませんのでご了承ください。
Google ウォレットは進化を続けており、デベロッパーの皆様に対してより豊かで魅力的なユーザー体験を創出するための強力な新機能を提供しています。Digital Credentials API や安全なプライベート画像などのデジタル ID 機能の拡充、通知の細分化や付加価値機会によるユーザー エンゲージメントの強化、拡張された自動連携パスやリアルタイム交通情報によるトラベル機能の効率化など、これらの機能は、Google ウォレット プラットフォーム上でユーザーとのつながりを深め、新たな価値を生み出す革新的なソリューション構築を支援することを目的としています。
詳細については、以下のリソースをご参照ください。
この発表と Google I/O 2025 のすべての最新情報は、io.google でご覧いただけます。